【校友紹介】金 光亮先生をご紹介します
- 衣林 崔
- 2020年10月4日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月9日

北京中医薬大学卒業 医学博士(内経専攻)
北京中医薬大学教授
学校法人兵庫医科大学中医薬孔子学院の副学院長(中国側学院長)
金光亮先生より、とても素晴らしいご草稿を頂きましたので、そのまま掲載したいと思います。
1992年から大学院生(内経専攻)として北京中医薬大学に入学、1995年に卒業。医学博士学位を授与。
1995年卒業後、北京中医薬大学基礎医学院(現中医学院)内経教室で内経の教師として勤めています。講師、准教授を経て、2003年に教授に昇進しました。
2007年から2016年の間、大学の派遣により、北京中医薬大学日本校(現日本中医学院)で教授として務めました。
2018年7月に、大学の派遣で学校法人兵庫医科大学中医薬孔子学院の副学院長(中国側学院長)として勤め始めた。
今、中医薬孔子学院の管理の傍ら、「中医学入門講座」「中医学の視点から市販の漢方薬を選ぼう」などの中医薬関係の講座も担当している。
コロナの原因で今年4月から、以上の内容はネット授業に変わり、その中の「中医学の視点から市販の漢方薬を選ぼう」はYouTubeで無料配信中。
中医学についての心得:三種類の知識
長年にわたる勉強や研究、臨床などの経験により、人として、人生の中に必ず“三種類の知識を身につけるべし”と考えております。
まずは、「哲学」です。
人生はどういうものなのか、どういう方向へ進んだらいいのか等の問題について、哲学を勉強しないとなかなか解りません。哲学は様々ですが、「老子」「論語」「荘子」「易経」などを代表とする東方哲学がお勧めです。「相反相成」「和而不同」「物極必反」「禍福倚伏」「無為而無不為」等の名言を理解すれば、社会運行の法則をたいてい理解し、困ったときに我々の心の迷いを払い落ち着かせてくれます。
次は「心理学」です。
人類は社会性動物なので、社会から離れたら、人として生きていくのは無理です。社会生活の中に、自分と他人の認識や考え方を正しく理解できないと、人間関係はスムーズに進むことができません。自分と他人の思いを把握するために、心理学の知識は必要です。
そしてー番重要なのが「医学」です。
中国で「身体是革命的本銭」との言い方がありますが、日本語で「健康は第一!」という意味です。人生に対してからだの健康は根本のもので、健康が無ければ何もできません。自分の健康は自己用心が一番重要で、そして病気にかかってから治療するのではなく、身体を丈夫にさせて、疾病を予防する事は一番大切なので、医者等に任せなるのはダメです。だから、健康維持のために、誰でも医学の知識を勉強した方がいいと思っております。
西洋医学にしろ、東洋医学にしろ、どちらでもいいです。でも、医学は単純な自然科学ではなく、自然風土や生活習慣、思考様式などの文化要素にも非常に密接な関係があります。中医学(漢方医学)は古代中国人の生活や生産、医療活動の中で生まれた東アジア特有の医学なので、まさにこの地域に生活している人々の生活様式と密接に繋がっています。
日本の方を含めてアジア圏の人々の体質や心理特徴などに対して、一番ふさわしい医学だと思っております。
「天人合一」「心身一如」の全体観、「陰平陽秘」の生理観、「生病起于過用(病は心身の過労から生じる)」の発病観、「以平為期」の治療観、「治未病」の予防観等のような中医学の思惟方法や理論、技術を勉強し、日常生活でその知識を生かして、自分の体質や心理特徴、食生活などの細かいところから健康に心遣いしていれば、よりよい健康状態を維持できると思います。
さらに、家族や友達などの周りの人々の日常を見て、健康に助言できれば幸いな事ではないでしょうか。さあ、皆さん、これから中医学を勉強してみませんか?
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